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「サグラダ・ファミリア」
サグラダ・ファミリアは、カタロニア・モダニズム建築の最も良く知られた作品例であり、
カタロニアの建築家アントニ・ガウディの未完作品です。バルセロナ市のシンボルであるこの建物は、
綿密に構成された象徴詩的なシンボロジーと共に、パラボリックな(放物線状の)構造のアーチや、
鐘楼に据えられた自然主義と抽象主義の混在する彫刻などで、大胆な建築様式を誇っている。
2004年の統計によれば、サグラダ・ファミリアはアルハンブラ宮殿やマドリッドのプラド美術館を抜いて
スペインで最も観光客を集めたモニュメントとなり、2008年には270万人を集めました。
生前のガウディが実現できたのは地下聖堂と生誕のファサードなど、全体の4分の1未満であるが、
これらは2005年に「アントニ・ガウディの作品群」を構成する物件としてユネスコの世界文化遺産に
登録されました。贖罪教会なので、資金調達は信者の喜捨に頼ってきた。資金不足により工事が
なかなか進まなかったが、1990年代以降に拝観料収入が増えて資金状況が好転しました。
ガウディは、模型と、紐と錘を用いた実験道具を主に使ってサグラダ・ファミリアの構造を検討したとされる。
ガウディの死後の1936年に始まったスペイン内戦により、ガウディが残した設計図や模型、
ガウディの構想に基づき弟子たちが作成した資料のほとんどが散逸した。これによりガウディの構想を
完全に実現することが不可能となり、サグラダ・ファミリアの建造を続けるべきかという議論があったが、
職人による口伝えや、外観の大まかなデッサンなど残されたわずかな資料を元に、その時代の建築家が
ガウディの設計構想を推測するといった形で現在も建設が行われている。
北ファサード、イエスの誕生を表す東ファサード、イエスの受難を表す西ファサードや内陣、
身廊などはほぼ完成したがイエスの栄光を表すメインファサード、18本建てられる内の10本の塔が
未完成である。これらの塔の12本が12使徒、4本が福音書記者、1本が聖母マリア、
1本がイエス・キリストを象徴するものとされている。
東側の生誕のファサードでは、キリストの誕生から初めての説教を行うまでの逸話が彫刻によって
表現されている。3つの門によって構成され、左門が父ヨセフ、中央門がイエス、右門が母マリアを
象徴する。中央の門を構成する柱の土台には変わらないものの象徴として亀が彫刻され、中央の柱の
土台にはリンゴをくわえた蛇が彫刻されている。また、門の両脇には変化するものの象徴として
カメレオンが配置されている。中央門では、受胎告知、キリストの降誕、祝福をする天使、
東方の三博士や羊飼い達などが彫られている。左門ではローマ兵による嬰児虐殺、聖家族のエジプト
への逃避、父ヨセフの大工道具などが彫られ、右門には母マリア、イエスの洗礼、父ヨセフの
大工仕事を手伝うイエスなどが彫られている。
西側の受難のファサードには、イエスの最後の晩餐からキリストの磔刑、キリストの昇天までの
有名な場面が彫刻されている。東側とは全く異なり、現代彫刻でイエスの受難が表現されており、
左下の最後の晩餐から右上のイエスの埋葬まで「S」の字を逆になぞるように彫刻が配置されている。
最後の晩餐→ペテロとローマ兵たち→ユダの接吻と裏切り→鞭打ちの刑→ペテロの否認→イエスの捕縛→ピラト
と裁判→十字架を担ぐシモン→ゴルゴタの丘への道を行くイエスとイエスの顔を拭った聖布を持つ
ヴェロニカ→イエスの脇腹を突くことになる槍を持つ騎兵ロンギヌス→賭博をするローマ兵→イエスの磔刑
→イエスの埋葬と復活の象徴、そして鐘楼を渡す橋の中央に昇天するイエスが配置されている。
かつては完成まで300年はかかると予想されていた工事だが、スペインの経済成長や拝観料収入など
に支えられて進捗は加速している。さらには21世紀に入ってから導入されたITを駆使し、ソフトウェア
による3D構造解析技術と3Dプリンターによるシミュレーション検証、CNC加工機による成果が著しい。
2026年の完成予定が現実となれば、1980年代に見込まれた約300年という建築期間はその後の30年で半減し、
約144年の工期で完成することになる[11]。他方、創建当初はヨーロッパの教会建築の伝統的な工法である
組積造で行われてきたが、現在では礼拝堂内部、塔など多岐にわたってRC造が導入されており、
この工法変化を批判する建築家や彫刻家も少なくない。
なお、建設開始から長い年月が経っているため、建築と並行して既存部の修復も行われている。
《出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)》
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