イエスを指し示す旧約聖書の預言

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  紀元前を表すBCがBefore Christ (キリスト以前)の略であることはよく知られていますが、紀元後を表すADが何の略であるかは、意外と知られていません。というのも、ADは、日本人にはなじみの薄いラテン語のAnno Domini(主=キリストの年)の略だからです。
このように、BCとADはキリスト誕生の前と後で区切られますが、実は旧約聖書と新約聖書も同じように区別できます。つまり、キリスト以前の時代を記した聖書が旧約聖書、キリスト誕生後の時代を記した聖書が新約聖書なのです。そして、そのキリストは新約になって突然出現したわけではなく、実は旧約聖書のいろいろな箇所に、その誕生と役割が預言されていました。
キリストに関する最初の預言は、アダムとエバがエデンの園で蛇(サタン)に誘惑され、禁じられていた善悪の知識の木の実を食べてしまった直後に神が蛇に言った言葉の中にあります。
「わたしは、おまえと女との間に、また、おまえの子孫と女の子孫の間に、敵意を置く。彼は、おまえの頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとにかみつく」《創世記3・15》。女の子孫、つまり人として生まれたイエス・キリストとサタンとの間には戦いが生じるが、キリストがサタンに勝利するという預言です。
また、イザヤ書には「見よ。処女がみごもっている。そして男の子を産み、その名を『インマヌエル』と名づける」《7・14》、「ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。……主権はその肩にあり、……ダビデの王座に着いて、その王国を治め」《9・6~7節》とあります。
「インマヌエル」は「神は人と共ににおられる」という意味で、神であるキリストが処女マリヤから生まれ、人として人間の世界で暮らすことが預言されています。また、マリヤもヨセフもダビデの家系の者だったことから、「ダビデの王座に着いて」という預言も成就しています。
さらにミカ書5章2節では「ベツレヘム・エフラテよ。……あなたのうちから、わたしのために、イスラエルの支配者になる者が出る」と、救い主がベツレヘムに生まれることが預言されています。
このように聖書は、人が初めて罪を犯したその直後から、その罪を贖い、十字架の死を通してサタンに勝利するキリストの出現を預言しているのです。

聖書ガイドMOOK リアル聖書入門 第一部 34-35頁より

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