ハワイからの手紙 やさしい風に吹かれて-9 人生はマラソンだ!

ここ数年私が夢中になっているハワイのビッグイベント、それはホノルルマラソンです。毎年十二月に開催され、初心者からベテランランナーまで参加でき、本当に心から楽しめる大会です。今年で40回目を迎えます。

 

そのコースは、アラモアナをスタートしてダウンタウン、ワイキキを経由して、ダイヤモンドヘッド、カハラを通ります。更にホノルル郊外にあるハワイカイまで行き、そこを折り返してカピオラニ公園に戻ってゴールとなるハワイを代表する有名なコースです。ハワイ特有の優しい風を感じながら、友人たちやボランティアの方々の声援に押され、軽やかな音楽と共に気持ちよく走ることができます。

 

実はもともと私は、日本からこのマラソンに出場する友人のための応援を四年間していました。応援に熱中し、ゴールの時には一緒に感動を分かち合っていました。しかし、ある時「みんなどうしてこんなに長い距離を走ることに一生懸命になれるのだろうか?」、「どのような魅力がマラソンにはあるのだろうか?」という思いが膨らんでいったのです。そのような好奇心からとうとう私もマラソンを始めてしまったのです。

 

「競技場で走る人たちは、みな走っても、賞を受けるのはただひとりだ、ということを知っているでしょう。ですから、あなたがたも、賞を受けられるように走りなさい。」(一コリント九・二四)

 

そのような好奇心から始まったマラソン。今では私の生活の一部となってしまいました。そして、その走ることによって、私は人の生き方について静かに思いめぐらし、神さまから大切なことを教えていただいています。

 

マラソンはまさに孤独との戦いです。たとえ仲間と一緒に走っていても、実際は常に孤独であり、自分との戦いに置かれます。その時助けてくれるのは神さまだけです。神さまが走らせて下さいます。不思議とそこが神さまと私だけの対話の時間となるのです。私は決してひとりではない、神さまが共にいて下さって、主の恵みが支えてくれるのです。

 

また、マラソンに取り組み、体を鍛えるようになってから、肉体的・精神的・健康的にも強くなりました。年に何度も風邪をひいていた私は病気を未然に防げるようになりました。更に失われていた自信を回復し、忍耐する力も増し加えられました。苦しみは忍耐を生むことを、私は身をもって学んでいます。

 

そして、マラソンは人生の道を学びます。調子が良い時ばかりでなく、途中息が続かなくなる時があります。そんな時歩いてもいいし、立ちどまっても良い。しかし、諦めてとまったらそこまで。だからこそ、少しずつでも前に進むことが肝心です。そうすれば必ずゴールに辿り着くことができる。決して諦めてはいけないという外からの声がランナーを最後まで後押ししてくれるのです。私たちの人生もそうなのだと…。

 

今年も私はホノルルマラソンを走ります。まだまだ学ぶべきことがあります。神さまが、一つ一つ私に大切なことを教えて下さっています。

飯島寛子(いいじま・ひろこ)

世界の第一線で活躍したプロ・ウィンドサーファー飯島夏樹さんと結婚。4 人の子ど もを授かったが、夫は肝臓ガンのため2005 年に召天。 夏樹さんが病床で書き遺した『天国で君に逢えたら』(新潮社)など3 冊の著 書は大きな反響を呼び、映画化された。寛子さんも、自身と家族の“それから” を『Life パパは心の中にいる』(同)に綴っている。現在ハワイで、愛する人 を亡くした方をサポートする自助グループのNPO 法人HUG Hawaii や、 ハワイ散骨クルーズBlue Heaven, Inc. の働きに携わる一方、エッセイスト、 ラジオのDJ として活躍。 担当番組「Wiki Wiki Hawaii」が、毎週日曜日の 朝5時からインターFM で放送されている。マキキ聖城キリスト教会会員。
 

 

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