ハワイからの手紙 やさしい風に吹かれて-25 イオラニ~ハワイアン・アートの世界

ハワイでパーティーに招かれるとかならず事前に招待状をもらいます。そこにはドレス・コードとして「アロハ・アタイア(ALOHA ATTIRE)」という言葉が記されています。それはもともと礼服着用を意味し、男性はアロハシャツ、女性はムームーを着ることが求められていました。私は迷わずハワイアン・プリントのドレスを着ていくのですが、その際私のお気に入りのブランドがあります。それは「IOLANI(イオラニ)」です。イオラニは正装にマッチする伝統的なデザインからコンテンポラリーでカジュアルなものまであり、多くのハワイのミュージシャンやフラダンサーに愛されている老舗アパレル・メーカーです。

 

そのイオラニを創業した方はケイジ・カワカミさん。彼と奥様のエディスさんは、カウアイ島コロアタウンで育った日系二世でした。コロアタウンは日系移民の歴史に触れることができるノスタルジックで素敵な街です。そこで彼らは一九五三年に会社を起業。カワカミご夫妻はファッションを通してハワイの島々の美しさを伝えたいというビジョンをもって始めました。そのイオラニは多くのファンに愛され、昨年60周年を迎えました。現在はこの有名老舗ブランドを三代目が受け継ごうとしています。また、創業者の息子で二代目社長のロイドさんと孫のニックとアレックスさんは、ハワイアンミュージックバンド「マノアDNA」として演奏活動をしています。東日本大震災の被災地支援のためにも彼らは活躍しました。

 

「あなたがたは、私たちの主イエス・キリストの恵みを知っています。すなわち、主は富んでおられたのに、あなたがたのために貧しくなられました。それは、あなたがたが、キリストの貧しさによって富む者となるためです。」
(第二コリント八章九節)

 

さて、ハワイのアパレル商品の代表である「アロハシャツ」の起源は十九世紀の終わりに遡ります。その頃に移民してきた日系のサトウキビ畑労働者が最初に考案したものと言われています。その頃「パラカ」と呼ばれるヨーロッパの船員達が愛用していた開襟シャツがあり、それを人々は愛用していました。けれども、貧しい労働者はそれを手にすることができないため持参の着物を仕立て直し、パラカ風にシャツにしたものを作りました。それが現在のアロハシャツの始まりとされています。「もったいない精神」が生み出したハワイアン・アート。貧しさの中から生まれ、アロハ・スピリットによって形造られた美の作品。その精神が今もイオラニ・ブランドの奥深くに流れています。ファッションには地域の文化と歴史が刻まれ、そこに住む人々の誇りが輝いているのです。

 

ホノルルの本社にはリテールショップ、ギャラリー、工房が設置されています。カワカミ・ファミリーの歴史に触れることのできる空間があります。ぜひここを訪れハワイアン・アートの豊かさに触れてください。また、今年イオラニは「ユニクロ」とコラボレーションして、南国の自然をテーマにしたデザインを提供します。ハワイアン・アートを着こなす楽しみを多くの方々に味わってもらいたいです。

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