ハワイからの手紙 やさしい風に吹かれて-39 驚くべきパワーの食材ココナッツ

先日、ホノルルのわが家で婦人向け生活雑誌『クロワッサン』(マガジンハウス)の取材を受けました。最近日本で大ブームとなっているココナッツ製品による調理と試食、そしてココナッツ商品の紹介が、インタビューのおもな内容でした。ココナッツが今こんなにも注目されることになるとは本当に驚きです。

実はココナッツは南国の島国ではとても身近な存在です。私は以前グアム島南西に位置するアガットという地域に住んでいました。お庭にはヤシの木が数本立ち並び、家族はそこから落ちてくるココナッツを拾うような生活をしていました。ココナッツの実がなるのはヤシの木の天辺。熟すると「ボトン、ボトン」と凄い音を立てて実が落ちます。その実はたいへん固く、頭にでも当たったら大ケガとなります。

また、ヤシの木は細く・強く・高く・育ちます。ココナッツ獲りの名人は特殊な登り方ですいすい上まで登り、青い実を落とします。自然に落ちたココナッツの実はすぐに根っこと芽が生えて大きく成長します。うっかり空き地にココナッツの実を投げるといつの間にかヤシの木ジャングルになってしまうほど生命力豊かな植物なのです。そして、ココナッツの乾いた実を時々庭で燃やします。その煙は蚊などの虫除けになるのです。

さて、グアムの先住民のチャモロ人の料理にはココナッツが豊かに使われています。その中でも有名なものが「チキン・ケラグエン」です。酸味の効いた甘い香りの家庭料理。私は地元の友人に習い、わが家の食卓にも並ぶことがありました。ココナッツウォーターは実が青いうちが新鮮です。それは体液に近いと言われ、昔は点滴に使われていたこともあったそうです。さらにその果肉がまだ透明なゼリー状の時に醤油をかけて食べると、まるでホタテのような味がします。そしてしばらく置くと白くなり、それからココナッツオイルが採れるのです。なんとそのココナッツオイルが「ボケ防止、老け防止、肥満防止」という三大効能があると言うではありませんか。「すごーい!驚くべきパワーを秘めた食材なのだ。」とおもわず神さまを賛美しました。「あーもっと早く知っていれば良かった」と思う私…。

 「たとい、あなたがたの罪が緋のように赤くても、雪のように白くなる。」(旧約聖書•イザヤ書一章一八節)

ある時このようなお話を聞きました。南太平洋諸島の人々のために聖書翻訳をされたキリスト教宣教師がおられました。彼はこの聖書箇所を「たとえあなたがたの罪が緋のように赤くとも、それをココナッツミルク(または果肉)のように白くなる」と翻訳したそうです。雪を見たことのない人々にその白さを表現する際、ココナッツをたとえに用いたそうです。聖書の神さまは人間がもつ心の汚れもココナッツミルクのように白くしてくださるお方なのです。なぜか私はこの翻訳の言葉にとても親しみを感じました。実はココナッツには白くする漂白・殺菌作用もあるのです。とても奥の深い食材。ぜひあなたの料理にお試し下さい。

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