ヨハネ:新天新地の幻を見た弟子 イエスに愛された弟子で「黙示録」執筆者

4つの福音書のうち「ヨハネの福音書」を記したヨハネは12弟子の中でも代表格の1人で、イエスが高い山の上で栄光輝く姿に変わり、そこに現れた旧約時代のエリヤやモーセと共に語り合う「山上の変貌」と呼ばれる不思議な出来事にも、ペテロ、ヤコブと共に立ち会いました。
イエスが葬られたはずの墓が空だという知らせを受けたときにも、ペテロと共に駆けつけた1人でした。「ヨハネの手紙Ⅰ〜Ⅲ」、そして新約聖書のいちばん最後に収められている「ヨハネの黙示録」の執筆者でもあります。
この「黙示録」は聖書の中でも独特な書で、象徴的な表現が多く、そのまま読んでも何を言っているのかわからない部分がほとんどです。ヨハネがこの書を執筆した時代、クリスチャンたちは、ユダヤの支配者であるローマ帝国から、ローマの神であるとされるローマ皇帝への礼拝を強要されていました。クリスチャンたちがそれを拒否したため、激しい迫害を受け、殺される人々も後を絶ちませんでした。
ヨハネも、迫害の末にパトモス島という島に流刑にされており、そこで幻を通して見せられたこと、聞かされたことを書き留めたものが「黙示録」です。第一義的には、ローマ皇帝を礼拝せよという命令に屈することのないように教会を励ましつつ、キリストが再びこの世に来る日まで、信徒たちがどう生きるべきかを教えています。
それと同時に、現代に至るまでまだ訪れていない「キリストが再びこの世に来る日」(再臨)には、神がサタンとその手下に完全なるさばきを下し、すべての罪と悪が清算され、新しい天と地が創造されるということについても描かれており、それについては「これから起こっていくこと」として読むことができる書でもあるのです。

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